世界各国における小便を座ってする男性の割合の最新調査
小便用の便器があるとき、多くの男性は立って小便をするはずです。ですがもし仮に、便座しかない時はどうでしょうか。
あなたは小便を立ってしますか?それとも座ってしますか?
これは男性のプライベートな話題で収まるものではありません。立って小便をすると多くの飛沫が周囲に飛び散るので、衛生面で問題があることが知られています。
その男性に同居人がいる場合、立ってするか座ってするかという選択が、喧嘩や関係の悪化に繋がることもあるのです。
今回、データ分析会社YouGovは、男性が小便を座ってするかあるいは立ってするかの割合の国別の調査結果を発表しました。
さて、どのような割合になったのでしょうか?また割合は国別で異なるのでしょうか?それでは、調査結果を見ていきましょう。
詳細は、2023年5月6日にデータ分析会社YouGovが公開しました。
要点
・ドイツでは62%もの男性が座ってしていました。一方で、アメリカやイギリスではその割合が低く、23%と24%でした。また年齢でも有意な差がみられました。
・2020年の調査によると、日本では69%の男性が座ってしていました。
・座ってするのは、衛生面だけではなく健康面においても優れているようです。
座って小便をするかの国別調査結果
ドイツは60%以上が座ってする一方で、オーストラリアは約40%、アメリカは約23%と座ってする割合は低い。(credit: YouGov)
重要単語
シッツピンクラー:座ってする男性を揶揄したドイツの言葉。
LUTS:lower urinary tract symptomsの略。尿を溜めたり出したする機能が上手く働かないという症状の総称。
早速、データを読み解いていきましょう。
図では、小便を座ってするかの割合が13カ国の国別で示されています。左の濃い赤から順に、毎回する、ほとんどする、時々する、滅多にしない、分からない、決してしないです。
一番上にあるドイツ(Germany)では、40%の人が毎回するを選び、ほとんどするを含めて62%もの男性が、大抵の場合に座って小便をすることが判明しました。逆に、座ってしないという男性は、わずか10%に限られました。
一方で、一番下にあるメキシコでは、毎回座ってするのはわずか6%に止まり、ほとんどするを含めても21%と低い結果が示されました。逆に、座ってしないという男性は、36%と調査した13カ国の中で最も高いことがわかります。
また、アメリカやイギリスでも大抵の場合に座って小便をする割合は低く、アメリカで23%、イギリスで24%ということが判明しました。
ドイツでは座って小便をする男性が比較的多いですが、実は、ドイツ語には小便を座ってする男性を揶揄する「シッツピンクラー(sitzpinkler)」という単語があり、女々しい男性という嘲笑的な意味合いが含まれています。
このような座って小便をする男性を揶揄する単語がありながら、ドイツでは最も多くの男性が座って小便をしています。ドイツでは座ってするように促す標識が数多く建てられ、座ってしないことが配慮に欠けた行為だと見做されることも多いようです。
ところで、これらの割合は年代での違いが見られるのでしょうか?
ドイツから見ていきましょう。ドイツでは座ってするという意識は、55歳以上の高齢男性が49%であるのに対し、18〜34歳の若い男性は 28%と低い割合でした。
他の多くの国では年齢による差がドイツとは対照的で、座ってしないと答えた割合の高齢者と若者の差は、イギリスで40%対23%、オーストラリアで38%対24%、アメリカで35%対21%でした。
つまり、多くの国で若者の方が座って小便をする傾向が強かったのです。年齢別に見ると、ドイツの意識変化のほうが変わっているのかもしれません。
さて、それではこの図には入っていない日本ではどうなのでしょうか?また、座って小便をすることに利点はあるのでしょうか?
世界的にみても、日本の男性は座って用を足している
2020年の意識調査。以前から着座しているのが58.1%、着座するようになったのが11%で、合計して69.1%の男性が着座してしている。(Image Credit: パナソニック)
データ分析会社YouGovが行った今回の調査には、日本が含まれていませんが、2020年にパナソニックがほぼ同じ形式の意識調査を行なっていました。
その調査では2015年と2020年の意識を比較することで、座って小便をする男性の割合が51%から69%に上昇していることがわかりました。
パナソニックの調査では、割合の上昇の原因をコロナ禍による在宅ワークの上昇とそれによる意識の変化にみていますが、原因が何であり、世界各国と比べて非常に高い割合であることは確かです。
調査人数や質問項目の違いから、YouGovの調査結果とそのまま比較することはできませんが、大抵の場合座って小便をする割合は日本が世界トップクラスであることは間違いありません。
日本がトップクラスで座って小便をする国であることがわかったところで、座って小便をすることの効果についても解説しておきましょう。
座ってすることは、衛生面で優れているだけではありません。立ってするよりも座ってする方が、骨盤の筋肉が緊張せず、排尿がより簡単にできるようです。
これは健康的な男性よりも、蓄尿・排尿症状の総称であるLUTS(lower urinary tract symptoms)を持つ男性にとって非常に役立ちます。
尿が残ると尿路感染症から膀胱結石まで様々な病気を誘発します。また高齢になると前立腺肥大症を発症し、尿を出しづらくなってしまいます。尿が出しづらくなっている男性ほど、座って小便をすることが望ましいのです。
衛生的にも健康的にも人間関係においても、座ってする方が良いようです。それでも立ってしたいという男性は、トイレ掃除を日課にすると良好な人間関係を築けるかもしれません。
それでも筆者としては、世の男性は座ってすることをおすすめしておきます。
参考文献
Where in the world are men most likely to sit down to wee?
https://yougov.co.uk/topics/society/articles-reports/2023/05/16/where-world-are-men-most-likely-sit-down-wee
Men In The US Are Peeing Incorrectly According To Urologist
https://www.iflscience.com/men-in-the-us-are-peeing-incorrectly-according-to-urologist-69166
在宅時間増加に伴うトイレの意識変化を調査 トイレ掃除の負担増加、小便時に着座する男性が増加
https://news.panasonic.com/jp/topics/203923